第51回 日本股関節学術集会で発表を行いました
令和6年10月25日(金)、26日(土)に岡山県の岡山コンベンションセンターで「Hip Disorders Reborn, again from cradle to centenarian』のテーマの下、『第51回日本股関節学会学術集会』が開催され、当院の石井医師が参加し、理学療法士の志波が発表を行いました。
題目
『人工股関節全置換術後の骨盤運動の歩行対称性の特性』
という内容で発表を行いました。
志波
「今回は、人工股関節全置換術(THA)を受けた患者さんの歩行時の骨盤の動きが左右でどれくらい対称か、というテーマで発表しました。歩行評価には、慣性センサを仙骨後面に貼りつけて、得られた加速度や角速度データを使って分析を行いました。その結果、THA術後の患者さんは特に前後の加速度(前後方向への移動)と、骨盤の前傾・後傾運動(矢状面の角速度)で左右の動きに違いが出ていることが明らかとなりました。
具体的には、術側の足が接地する前に前方への加速度が減少し、術側で体重を支える間は骨盤が前に傾く動きが増大する傾向がありました。こうした動きの特徴は、股関節の外転筋力が低下することや、痛みを避けるために骨盤と大腿骨を一緒に動かす動作を選択しているためであると考えています。
私たち理学療法士としては、こうした歩行特性を理解しながら評価や動作練習を行うことで、患者さんの歩行能力の向上に役立てたいと考えています。
研究で得られた知見を、患者さんのお役に立てるように頑張ります。」