球磨川リバイバルトレイル ~100MILEへの挑戦~
令和6年11月16日に熊本県で開催されたトレイルランニングレースの『球磨川リバイバルトレイル』にクリニック看護師の吉原君が挑戦したので、僕ソエジマ君が応援に行ってきたよ!!!
トレイルランニングとは、通常のマラソンレースとは違い、山道や自然の中の未舗装の道(トレイル)を走るスポーツで、舗装された道路とは異なり、起伏のある地形や変化に富んだ環境を走破していくレースです。
この球磨川リバイバルトレイルは令和2年(2020年)7月豪雨における球磨川流域災害の復興支援として、今回で3回目の開催となります。
「古来より、豊かな自然と文化をもたらしてきた球磨川。球磨盆地や八代平野を潤し人々の生活を支えてきた清冽な流れを育む「母なる川」である。一方で2020年7月豪雨では「暴れ川」として流域に大きな被害を及ぼした。どちらも分かちがたい球磨川の姿、態様を併せ持つ点で自然も人間も同様である。
源流から河口まで。球磨川の始まりと終わりを見届けるトレイルジャーニーを通して、人と自然の関わりを見つめ直し、被災地の復興を後押しする。」(球磨川リバイバルトレイル公式ホームページより抜粋)
そして今回吉原君が挑戦した球磨川コースは総全長約167km(100マイル) 累積標高約9,400mという一般人からしたら想像を絶するような過酷なレースなのです。
球磨川リバイバルトレイルは参加条件が
「過去3年間(2021年9月1日~2024年9月23日)で100km以上のトレイルランニング大会を1回以上、もしくは、50km以上のトレイルランニング大会を2回以上完走した事がある方。」と定められており、トレイルランニングの猛者のみがエントリーできる大会となっています。そしてトレイルランナー達にとって100マイルレースを完走することは、1つの到達点だともいわれているようで、完走したものは通称100マイラーと呼ばれるように…!
AM5:00。それは夜と朝が静かに引き継ぎ、闇がまだ名残を惜しむように山を包み込む。希望と不安を抱き、ついに強者エントリー者220名が一斉にスタート。
スタート前、吉原君は思うように練習ができなかった為、どちらかというと不安のほうが大きいと話していたので、無事に怪我無くゴールしてくれることを祈るばかりでした。
選手たちは山道や森林、岩場などを駆け抜け、アップダウンの激しいコースを長時間走り続けていきます。球磨川リバイバルトレイルは累積標高(コース上での「登り」の標高差をすべて足し合わせたもの)が約9,400mあるため(日本で最も有名な1つである富士山で行われるレースMt.FUJI 100で6,254m)、過酷なアップダウンを繰り返し選手の体力を奪っていきます…
球磨川リバイバルトレイルでは、ただ完走を目指すだけでなく、途中に設定された6か所の関所を制限時間内に通過しなければならないという厳しいルールがあります。これにより、選手たちは一定のペースを保ちながら進むことを余儀なくされよりいっそう過酷さが増します…
各関所では、通過時間が厳しくチェックされ、少しでも遅れると即座に失格となります。体力や技術だけでなく、ペース配分やエネルギー補給の戦略が試されるこのレースは、選手の心身に多大な負担をかけます…
各関所ではスタッフの方たちによる食事の提供や、次の関所までに必要な飲み物・補給食等の追加、着替え、仮眠をとったりしたりします。レース終盤になってくると選手たちの疲労もピークに…、体を休めたい気持ちと、タイムを気にし先に進まなければという気持ちが…
吉原君も各関所を制限時間内でクリアしていき、レースも終盤140km付近で右大腿に激痛が…
体力の限界を優に超え、さらに脚に激痛まで…、残り約20km、気力と根性だけでゴールを目指すします。
(この時は本当に限界だと思ったと、後日話してくれたました…)
そしてスタートからどれくらいたっただろう…、途中棄権者が数多く出る中、吉原君の姿をゴール地点で待ち続けていると、ついに!!!!
夜の静寂を切り裂くように、ゴール付近から湧き上がる歓声が聞こえてきた。その音が、暗闇の中を一歩ずつ進む彼を前へと引き寄せていた。体力はとうに尽き果て、右脚は激痛に蝕まれている。まともに歩くことすらままならない。それでも、彼の足は止まることを知らなかった。100マイル、160キロを超える壮絶な戦いの果て、あと数十メートルで旅の終わりを迎えられる。
彼がゴールを越えた瞬間、周囲は歓声と拍手に包まれた。真夜中の冷たい空気の中で、彼の息遣いだけが異様に大きく聞こえる。汗と泥にまみれたその漢の姿は、何か特別なものが宿っていた。ただの勝者の背中ではない。そこには、すべてを出し切り、もう何も残っていないがゆえの清々しさがあった。
吉原君、100マイル完走本当におめでとう!!!
挑戦の意義、苦しみの意味、そして人が限界を超えたときに得るもの。すべてが、その背中に刻まれているようだったよ。
完走タイム 40時間31分12秒
完走者 220名中125名(完走率57%)
吉原
「球磨川豪雨災害によって被災された方々、そして地域の皆さまが、一日も早く元の生活を取り戻し、安心して暮らせる日々が訪れることを心より願っております。
長いレースでしたが一歩ずつ、一歩ずつ前に進んでいると自分に言い聞かせ、何事もポジティブに変換してゴールを目指しました。身体はボロボロでしたが本当にあきらめなくてよかったと思います。長い道中、厳しい状況下でも選手同士励まし称え合うそんな体験をたくさんしました。支えてくださった皆様ありがとうございました。やっぱトレランっていい♪」
実際に今回のレースで使用した道具と、補給食等↓↓