副島整形外科

九州理学療法士学術大会 2025

11月29日(土)、30日(日)に大分県のJ:COM ホルトホール大分で開催された『九州理学療法士学術大会 2025』に当院理学療法士の溝田、牧野、小柳が参加・発表しました。

溝田
『運動器下肢疾患におけるModified Plantar Flexion Break Testの信頼性・有用性について』

本手法は、新たにに我々が考案した足関節底屈筋力(爪先立ちしたり、足で地面を蹴る筋力)の評価の手法である。具体的には,壁にてをついて片脚立ちし、その状態から爪先立ちをしてもらい検査者が抵抗をかけるテストである(かなり負荷がかかるので、実施には十分注意が必要)。
研究の結果より、本手法はある一定の信頼性を認め、従来の筋力テストとも関係したため臨床で簡単に底屈筋力をみる手法となり得ると考えています。
今後も継続的に実施し、より良い医療の提供の一助となればと考えています。

牧野
『片側変形性膝関節症患者における足部柔軟性の特徴と患者立脚型評価の関連』

変形性膝関節症患者では、足部内側縦アーチ(土踏まずの部分)が低下していることが報告されています。足部内側縦アーチは荷重時に下降することで衝撃吸収を担います。我々の先行研究では,この足部の柔軟性が歩行動作と関係することを明らかにしましたが、その足部柔軟性の特徴は不明でした。そこで今回は変形性膝関節症患者の足部柔軟性の特徴を調査し、それが膝関節機能に関連するのかを調査しました。その結果、変形性膝関節症側では足部柔軟性が低下しており、足部柔軟性は膝関節機能と関連することが明らかとなりました。この結果から、変形性膝関節症に対しては、症状に応じた足部への理学療法の重要性を示唆しました。
当院においても変形性膝関節症の患者様は多く来院していただいておりますのでこの知見を日々の臨床現場でも応用していきたいと思います。
この度は、このような貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。

小柳
『脊椎椎体骨折患者の入院後3週時における歩行の可否に影響する因子の検討』

今回、九州理学療法士学術大会in大分にて、口述発表をさせていただきました。
脊椎椎体骨折は高齢者に多い4大骨折の一つとされています。当院、当クリニックでも受診される方は多く、当院でも安静目的で入院される方も少なくありません。本研究は、入院後3週時の自立歩行に影響をする因子を調査しました。その結果、入院後3週時における歩行の可否には疼痛、痛みの破局的思考、膝関節伸展筋力が影響を及ぼす可能性が示唆されました。今回の学会では、新たな知見も学ぶことが多く、ご助言もいただき大変貴重な機会となりました。今後も患者様により質の高いリハビリテーションを提供できるよう精進してまいります。