第27回 骨粗鬆症学会

今学会にて川神医師が
『ビスホスホネート製剤長期投与中に尺骨非定型骨折を生じ、手術加療後テリパラチド製剤の導入困難、高Ca血症を併発したが、骨癒合が得られた1例』
の発表を行っております。
川神医師
「非定型骨折とは、骨粗鬆症治療においてよく使用されるビスホスホネート製剤を長期間投与することで骨が硬くて脆くなった結果、軽微な外力で生じる骨折のことで、大腿骨に多い骨折です。通常とは異なる機序で生じ、骨癒合(骨折の治り)が得られにくいことが特徴です。
もちろんビスホスホネート製剤は骨粗鬆症治療において重要な治療の一つですが、上記のような骨折を起こすことがあるため、定期的な骨密度測定や、採血検査が必要です。投与期間については非定型骨折のリスクと脆弱性骨折のリスク等を比較して検討するため厳密には何年と規定はありませんが、約3-5年で休薬を検討することが多いです。
約15%の方に大腿部の痛みなどの前駆症状を生じるため、骨粗鬆症治療中の方で足に体重をかけて違和感や痛みがある方は遠慮なくご相談いただけますと幸いです。
また今学会で、非定型骨折以外にも多くの骨粗鬆症治療の最新の知見を得ることができました。骨粗鬆症の推計患者数は1500万人とも言われていますが、そのうち治療を受けられている患者数は140万人程度です。要介護の第3位に骨折転倒があるように、骨折は移動能力の低下だけでなく、認知症の進行や全身疾患にも大きく関連し、 ADL(日常生活動作)の低下に直結します。いかに骨密度を低下させずに骨折を防ぎ、健康寿命を延ばしていくことが非常に重要であり、当院でもより一層骨粗鬆症治療に力を入れて治療を行っていきたいと考えております。」

骨粗しょう症による不安やお困りごとがございましたら、お気軽に医師・看護師にご相談ください。
当院では令和7年10月18日(土)に
『副島整形外科 骨粗しょう症フェスタ2025』
を開催します。
当院に受診歴がない方も含め、どなたでも参加していただけます。
ぜひご参加ください。